「くっくっくっ・ ・ ・ ・ ・見てろよ」


ある日、ある時、ある場所で不穏な気配が漂っていた。










ゴキゲンの危険(前編)














「おい、今日が何日か知ってるか?」








珍しく無効から声を掛けてきたことに狗は少し驚いた。


「あぁ?3日だろ?2月3日」


そう返すと、桃太郎はクルリと回れ右をして出て行った。


ニヤリと口元を歪めながら。しかしてそれは狗には見えなかった・ ・ ・ ・ ・。


















その日の前日



桃太郎は朝から機嫌が良かった。いや、機嫌が良いというものではない。もうこれは『ご機嫌』だ。


どこからどう見ても。誰から見てもだ。


しかし、そんなご機嫌な桃太郎を見るのは久しぶり・ ・ ・ ・ ・ ・ほとんど滅多にお目にかかれない。


いや、見られることはあることにはあるが、その滅多に見られることがないご機嫌ぶりは、この季妖城(キヨウジョウ)に暮らす者にとってかなりの災いをもたらすものである。


所謂、『嵐の前の静けさ』・ ・ ・ ・とでも言おうか。今のうちにいい思いでもしてろという感じの・ ・ ・ ・ ・。


まぁ、兎に角滅多に見られないご機嫌な桃太郎に慌ててその場から離れていこうとする者や、蒼褪めて部屋に引き篭もる者。旅に出るといって休暇届けを出しに行く者。何も見なかったことにしようと努める者。もうすでに諦めの境地に達している者。さらには遺書を書き始める者がいた。










・ ・ ・ ・が、やはりうっとり惚けて見つめる者が多かった。





何といっても桃太郎の容貌は整っている。


普段の不機嫌顔も悩ましげ(?)でいいが、口の端を少し上げるだけでも妖艶さがくっきりと浮き立つのである。(これは鬼である者に限らず、その辺の人間さえも虜にする威力があるだろう)


そして現在は始終にっこりと微笑み、且つ、すれ違った者に挨拶なんてしているのだ。


これは絶対何か起こる!この世の終わりかもしれない!!と思わせるものだ。


声を掛けられた者には嫉妬と羨望の眼差しが注がれ、しかし声を掛けられた当の本人は周りの視線に殺されそうになりながら、目の前のご機嫌ぶりを発揮しまくる桃太郎に目を白黒させて混乱するばかり。


「お母さん、お父さん。先立つ不幸をお許しください」とか、「俺・ ・ ・このまま死ぬのかな・ ・ ・ ・ ・?」とか、「うっそ!?まじでぇ!?声掛けられちゃったよ!!どうする俺!?やはりここは行くべきか!??」とか、「いやいや、落ち着け自分!!行ったら逝っちまう・ ・ ・ ・」とか、「こ、こんんなに接近しちゃってまぁ・ ・ ・ ・。美味しく頂かれても知りませんよ?万が一にもそんなことは有り得ないでしょうけど・ ・ ・ ・」とか思っていたりする犠牲者たち。








でも、こんなの序の口。


問題はこれからだ。


運命の瞬間という生死を賭けた戦いが幕を開ける!!











戦いの火蓋は切って落とされたぁーー!!というわけで、節分だぁ!!(間に合わなかったけど・・・・)
節分といえば『鬼』!!
鬼といえば『桃太郎』!!
ここは外せないぜ☆とか思っていながら
間に合ってない私v(ダメジャ〜ン・・・ゲフッ
スンマセン・・・・
しかも続き物だし;
次は中編です。

05/02/05 夜皓

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