狗が速攻で買って来た服を着て、これからこの身体でどうしようかと考えあぐねていると、家を出てくるときにおじいさんから貰った七つ道具の箱の中から携帯の着信音が鳴り響きました。 『ポン、ポン、ポポポポン。イョ〜〜〜ォ!ひとぉ〜つ・・・・』(桃●郎侍の着メロ) ピッ。。 「だえだ?(誰だ?)」 『久しいのぅ。儂じゃよ。』 「だから、だえだよ!?」 『団子をもらったじじいじゃよ☆』 そう聞くや否や、桃太郎は携帯に向かって罵り始めました。 「おい、じじい!!てめぇいったいどううーことだよ!?きさまがしょうかいしたみせにいったら、ひでぇめにあったぞ!!つか、なんでこのデンワのばんごーしってうんだよ!!(おい、じじい!!手前ぇいったいどういう事だよ!?貴様が紹介した店に行ったら、酷ぇ目にあったぞ!!つか、何でこの電話の番号知ってるんだよ!!)」 まぁそんな感じでetc... しかし、迫力はまったくと言っていいほど無いのはお約束。 桃太郎の罵詈雑言が丁度途切れた頃を見計らっておじいさんは言いました。 『ホッホッホッ。だいたいのことは雉子に聞いたわい。・・・で?具合はどうじゃった?良かったじゃろう?』 「じょうだんじゃねぇ!!みせえはきゃくのあつかいかたは、いつもああなのか!?(冗談じゃねぇ!!店では客の扱い方は、いつもああなのか!?)」 桃太郎は青筋を浮かべてがなり立てました。 『ところで、店に出した条件を破ったからには、何か侘びをせんといかんと思ってのぉ。そこで、お主が鬼ヶ島に行くと小耳に挟んでな。海路の手配をしたんじゃが、乗らんかの?』 「おい、きけよ・・・・。」 □■□ と、言うわけで港にやってきた桃太郎一行は、おじいさんの遣いに案内されて船へ乗り込みました。 =ホテルにて= 「ねぇ、あんたって鬼ヶ島に何しに行くの?」 と申が聞きました。 「ぬすみぎきしてんじゃねぇよ・・・・・」 「まあまあ。おさえて。」 興奮冷めやらぬ桃太郎を宥めている雉子は、ドアに凭れ掛かってこちらを見ている狗に視線をちらりと流しながら言いました。 「ところで、自己紹介がまだだったわね。あたしは雉子。で、そこの小っこいのは申。ドアのところにいるのが狗よ。あたし達は鬼ヶ島に貴方が行って帰るまでのお世話をするわ。」 「せわなんかいらねぇ。とっととでていけ!そして2どとおえのまえにあらわえんな!!(世話なんかいらねぇ。とっとと出て行け!そして2度と俺の前に現れんな!!)」 そう喚く桃太郎に苦笑を洩らしながら雉子は言いました。 「そう怒らないで、まずは貴方の名前を教えてくれる?」 「・・・・ももたろーだ」 ボソッと本当に不本意だとばかりに桃太郎は言いました。 「じゃ、桃ちゃん。鬼ヶ島にはバイトしに行くんでしょ?確か結構な額の奴があったわよね。」 雉子は顎に手をやって、考えるような仕草をして桃太郎に問いました。 「ああ、そうだが?べつにおまえらはこなくていい。ってか、むしろいい。おえはひとりでいく。にんずうふえたら、おれのとりぶんがへるからな・・・(ああ、そうだが?別にお前らは来なくていい。ってか、寧ろいい。俺は一人で行く。人数増えたら、俺の取り分が減るからな・・・)」 「でもねぇ・・・・。あたし達、おじいちゃんに桃ちゃんのこと頼まれてるから、そうもいかないのよねぇ〜・・・」 「ハァ!?そりゃどううーことだ?」 桃太郎は頼まれる理由の心当たりが無いので、眉間に皺を寄せました。 「まぁ、気に入られちゃったってことだよ。オレ達も同じようなものだけどさっ。」 申がそう言いました。 「・・・・いくらきにいったからって、そこまでするひつよーはねぇだろ。(・・・・いくら気に入ったらって、そこまでする必要はねぇだろ。)」 「じいちゃんは変わってるからなぁ〜。別に珍しいことでも無いし・・・・」 「何はともあれ、あたし達を連れて行って荷物持ちでも何にでも使っていいわよ?その身体じゃ武器とか持てないし・・・・悪い話ではないでしょ?」 「う〜ん・・・・まぁ、そうだな。」 桃太郎は意外にあっさりと承諾して手配された車に乗り、海路に使う船のある港へやってきたのです。 じいちゃん最高だぁ〜!! 桃の台詞、小さくなったから幼く見せるために平仮名に・・・・(読みにくい?) =追加= 平仮名ばっかりだと(私が)読みにくいので 括弧で漢字入れてみた。 夜皓 |
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